茶の世界では初釜で新しい年が始まる。
私たちの社中は人数が少ないので、毎年某かのお役目が廻ってくる。
それでも、客の一員なら懐石も楽しめるのだが・・・
今年は最も大変な水屋当番。
懐石の盆を下げるまで息つく暇もない。
その上、頭は回らずミスだらけで散々の出来ばえ。
こんなに楽しめない初釜は初めて。
それでも、濃茶点前からは茶席に入ってやっと一息。
炭がおこって湯が沸くときの釜音を松風などというが、静かな茶室で茶入れを清める時、皆の視線は亭主に注がれ耳からは松風が心地よい。
茶碗を温めるため蓋を開けた瞬間、湯音が大きくなり、今までの静寂に気づかされる。
初釜や今年も松風冴えわたり
棚は一閑塗の丸卓(まるじょく)で花は初嵐(ハツアラシ)と?梅(ロウバイ)を信楽の掛け花入に