今日の福津市のあんずの里はご覧の通り。
薄紅色の満開の杏の花また花。桜とよく似ていますが、葉柄が短いこと、がくが反り返っていること、そして樹皮が桜は横じまなのに対し、杏は縦じまというところで見分けます。
こんなにきれいな杏ですが、本来は薬用として奈良時代に伝わりました。今月はその杏をとりあげましょう。
梅の次、桜よりも早くうす紅色の花を咲かせるアンズはバラ科サクラ属でアーモンドやウメ、スモモの近縁種です。
6~7月収穫される果実は生で食べてもおいしいんですがジャムやドライフルーツにしてもおいしいですね。
しかし、薬用として使うのは種子の硬い殻をとったものです。これが生薬の杏仁(キョウニン)で、これはアーモンドでいえば私たちが食べているところですね。苦味の強い苦杏仁と甘みのある甜杏仁があり、前者薬用に、後者はお菓子に用いられます。
杏仁は薬局方にも収載されていて、キョウニン水は咳止めとして使います。
また漢方では麻黄と組んで用いられ、「麻黄湯」「麻杏甘石湯」などの重要な処方に使われています。
現在では青酸配糖体であるアミグダリンが含まれることが判明していて妊婦、子供の使用には適しません。
みんなの好きな杏仁豆腐に使うのは甘みの強い甜杏仁(てんきょうにん)で、これにはアミグダリンはほとんど含まれていませんのでご安心を!!