2月の薬草(ボタン)

立春を過ぎ、花粉症の患者さんも増えているというのに関東では大雪のニュース。こちらも凍えそうな寒さに逆戻り。
その中、筥崎花公園に行って見た。
 
冬枯れのこの時期、それでも様々な草木が芽吹き始めている。梅やまんさく、蝋梅、鶯神楽はすでに見ごろ、福寿草や馬酔木もつぼみを膨らませている。
あ、もはや毒草に認定したい北山杉も花粉を飛ばす準備ができている。
 
それにしても、花の少ないこの季節、菰をかぶった大輪の寒牡丹は本当に美しい。

ボタン(牡丹)Paeonia suffruticosa  ボタン科
 
生薬名:(局)ボタンピ(牡丹皮)
生育場所:園芸種
利用部位:根皮
漢方処方
大黄牡丹皮湯、六味地黄丸、八味丸、桂枝茯苓丸
 
大輪の花の王様牡丹は枝分かれした落葉低木なのに対し、よく似た芍薬は多年草です。切れ込みのある小葉の羽状複葉を互生しています。
ボタンピにはペオノール、ペオノシド、ペオニフロリンなどを含み、鎮痛、鎮静作用などがありますが、漢方では血の熱を清めてめぐりを良くする働きがあることから、下腹部の腫れや痛みで座り込んでしまう症状を改善します。そこで「座れば牡丹・・・」と言われたとの説があります。美人のたとえの「立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花」は3つとも婦人薬ですね。
唐獅子牡丹は百獣の王と百花の王の豪華な取り合わせで男気の象徴、健さんに夢中になった時代も・・・
 
「牡丹散ってうちかさなりぬ二三片」   与謝蕪村(よさぶそん)