薬草観察の季節ももう終わりに近づいてきました。
私たち薬草同好会の今年最後の行事となる立花山での観察会。三日月山と隣り合っている身近な山で、特に我が家からは、立花山から朝日が昇り、立花山おろしの風を受けるという山なのです。
当日は秋晴れの素晴らしい天気。私は一度、立花口の方から登ったことはあるのですが、ほとんどの人が初めて。高齢者も多いので、麓散策のB組と登山のA組に分かれて歩き始めました。
下原バス停から登山口へ。その間もよその庭のナスやウンシュウミカン、ナンテン、シロナンテンと見るものが多く、なかなか前へ進みません。
ツワブキの花の黄色が鮮やかです。この花の少ない季節にひときわ鮮やかに迎えてくれます。これの花が登山口への迎えてくれます。
登り始めると立派なマムシグサが大きな実をつけていますが、背が高いこの草は自分の頭を支えきれずに、ほとんどが倒れてしまっています。ヤブコウジも赤い実をつけていますね。ジャノヒゲも実がついてますが、まだ瑠璃色にはなっていません。
イズセンリョウ、サネカズラ、テイカカズラと見つけつつ、だんだん険しい道へ。特に谷側は滑りやすく、注意しながら分岐点へ。今度は根っこが這っていて、土をとどめてくれているものの歩きにくいことこの上ない。もう、観察どころではなく、ひたすら頂上を目指します。
登り始めて1時間半、11名全員山頂へ到達!!
志賀島、玄海島、能古島の見える素晴らしい景色が迎えてくれました。
一休みして違う経路で下山。
そこで判明したのですが、私たちは険しいほうの道を登ってしまっていたようです。
少し余裕ができて、また観察開始。
ヤマアイがありました。
そして、見たこともない植物が!!
写真を撮って後で調べることに。
絶滅危惧種のツルギキョウのようです。
この5年間で得た植物に対する知識を確認しながらの楽しい登山でした。
ツワブキ(石蕗)Farfugium japonicum キク科
生育場所:山野に生える常緑多年草
利用部位:葉、根茎;橐吾(タクゴ)
民間薬:葉は腫れ物、皮膚炎に火で煎り揉んで貼る。根は食あたりに煎服
春はきゃらぶきとしておいしい山菜のツワブキは10月ごろの花の少なくなった季節に鮮やかな黄色い花を咲かせます。長い軸を持った丸い大きな濃緑色の葉の表はワックスのような層(クチクラ、英語でキューティクル)で、つやつやした光沢があり冬も緑を保ちます。葉はフキに似て、名前も艶のある蕗から。
三日月山登山道の中腹や長谷ふれあいロードでもたくさん見ることができます。
「いくたびか時雨のあめのかかりたる石蕗の花もつひに終はりぬ」 斎藤茂吉