2月の薬木(センダン)

今年は雪が降らない。

ここ福岡でも、連年1,2回は積雪が見られるのに、今年はちらほら舞っただけ。

今、香椎浜を散歩すると、たくさんの冬鳥たちが浮かんでいる。様々なカモにシギやサギ、うまくすればクロツラヘラサギも見られる。

さて、目を転じて見てみるとヤブツバキが花を咲かせ、そして初夏に紫の花で楽しませてくれたセンダンは完全に葉を落として、でもたくさんの実を実らせて春の準備をしている。

ここには、御島崎の森から山鳥もやって来るが、彼らの食料になるのだろうか?

 

  ヤブツバキの花

 

 

センダン(栴檀)Melia azedarach   センダン科

 

生育場所:山野、または庭木として植栽される落葉高木
利用部位:樹皮;苦楝皮(クレンピ)、果実;苦楝子(クレンシ)川楝子(センレンシ)
民間薬:回虫、条虫の駆除薬として煎服

 

栴檀といえば反射的に「栴檀は双葉よりも芳し」という言葉が思い浮かびますが、本当は白檀のことで、栴檀にはそれほど香りはありません。
古名を楝(おうち)といい、日本古来の色の楝色(おうちいろ)はこの花の色からきました。藤紫を少しくすませたような色といえばいいでしょうか。
樹高約7m、幹は四方に分枝し、葉は互生、大形で2~3回羽状複葉、初夏に円錐花序に淡紫色の小さい花をまばらにつけます。秋につける丸い実は落葉後も木に残り、数珠のように見えることから「センダマ」(千珠)と命名されたとか。
香椎浜、和白海岸、志賀島で見つけました。

 

「妹が見し楝の花は散りぬべしわが泣く涙いまだ干なくに」 万葉集 山上憶良