4月の薬草(サルトリイバラ)

今日は年に1回の福岡市東区の区民向けの薬草観察会。

よい天気にも恵まれて、説明にもついつい力が入ってしまう。

場所は例年通り長谷ダムふれあいロードだが、穀雨のこの時期は1週間で見ごろの花が変わってしまう。

先週の下見の時、あれほどあったスミレコナラの花ががほとんど終わってしまっていた。その代わり、ナルコユリネズミモチは蕾を膨らませている。キランソウシャクムベの花は盛りで喜んでもらえたと思う。

心配していたサルトリイバラも花と実の両方見ることができた。

 

 

サルトリイバラ(猿捕茨)Smilax china   サルトリイバラ科

 

生育場所:山地、草原でみられるつる性低木

利用部位:根茎;和山帰来(ワサンキライ)

民間薬:毒消し、関節痛、下痢止めに、解熱発汗、利尿、糖尿病、神経痛、リウマチ、こしけにも根茎を煎服

漢方処方:香川解毒散

 

 

茎に下向きにトゲがあり猿もひっかかって逃げられないという由来のサルトリイバラ、福岡の方言ではガメノハというとピンと来る人も多いことでしょう。私の故郷でもイゲの葉といって、丸い葉は餅を包むのに使われ、茎は固くジグザグに曲がっています。

春、淡黄色で反り返った花びらの6枚の小さな花が固まって咲きます。茎は70cm~2m以上になり、まばらにとげがあり、葉は互生、円形で光沢があります。

 

生薬名山帰来の語源として次のような話が伝わっています。昔、梅毒に罹って山に追いやられ人がこの実(根?)を食べて元気になって帰ってきたとか。

三日月山山頂付近でも長谷ダムふれあいロードでもみることができます。