今日7月2日は七二候のひとつ半夏生。
農家が田植えも終わって、一休みできる季節ということで、出雲地方では、働き手をねぎらって笹餅をつくる習わしがあるとか。
しかし、私たち薬を扱うものにとっては、半夏は漢方薬でお馴染みの重要な生薬。カラスビシャクという可愛い薬草の根が太って収穫の時期を迎えるわけで、それが半夏が生えるこの時期というわけ。
昔は農家の女性の大切な現金収入になっていたらしい。
ということで、我が家のカラスビシャクも4月に花が咲いて、この時期は結実した姿を見せてくれている。
カラスビシャク(烏柄杓)Pinellia ternata サトイモ科
生育場所:山野に生える多年草
利用部位:コルク層を除いた塊茎;局ハンゲ(半夏)
漢方処方:半夏瀉心湯、半夏厚朴湯、六君子湯、小柴胡湯、小半夏加茯苓湯
初夏にマムシグサなどのテンナンショウ属に似た仏焔苞の目立つ緑色の花を咲かせます。同属のオオハンゲが3つに深く切れ込んでいるのに比べると葉は小さく3枚の小葉から成り立っています。但し、芽立ちの時は1枚で成長して3枚になります。またカラスビシャクはむかごを作りますがオオハンゲはできません。
烏が使うような小さな柄杓という見立てがこの名の由来です。また、この草が生えるころはちょうど半夏生(7月2日ごろ)の時節となります。また、別名「ヘソクリ」は農家の年寄りが、孫の守をしながらカラスビシャクの塊茎を掘って小遣い稼ぎをしていたことからとか。
生の半夏は吐き気や時によっては呼吸困難を起こすほど有毒で使ってはいけません。
四王子でまた宮地嶽神社で見つけました。