12月の薬草(キジョラン)

今週に入り真冬の寒さ。

先週までの穏やかな冬の朝、マンション裏手の干潟では、たくさんの鴨に交じってクロツラヘラサギもやって来た。懸命に嘴を泥に突っ込み横に動かしている姿は可愛らしい。

 

 

さて、薬草の方だが、なかなかいい題材を見つけられずにいると、友人から「三日月山でキジョランの種を見つけた」との報告。この時期、草花は種を飛ばして次の世代へとつないでいく季節。そして、春になって芽吹いた柔らかいキジョランの葉をアサギマダラの幼虫は食べて、海を渡る力をつけていく。

キジョランは薬草ではないが、生物の凄さを感じることのできる忘れてはならない植物である。

 

 

 

キジョラン(鬼女蘭)Marsdenia tomentosa   キョウチクトウ科

 

生育場所:海岸に近い林の中に生える常緑のつる性多年草

有毒

 

猪野神社の裏の遠見山で見つけました。何とも不思議な名前は実がはじけて綿毛が飛び出した様子を、鬼が髪を振り乱している姿にたとえたもの。これはガガイモ科(現在キョウチクトウ科に分類されています)の特徴のひとつで、もうひとつの特徴は白い乳液がでること。

茎は基部が木質、葉は丸く先は短くとがり表面には光沢があります。初秋に花柄を伸ばして、淡黄白色の花を密生して咲かせます。花冠は鐘形で深く5つに切れ込みます。

長距離移動をすることで知られる美しい蝶のアサギマダラの食草としても知られています。

 

7月に撮影したキジョランの花(皿倉山)

 

7月に撮影したキジョランの実(皿倉山)