我が家での初稽古

我が家でお茶のお稽古を始めて半年。

お正月の初釜とはいかないものの、お茶事の流れ、雰囲気を知って欲しいと思い、色々な工夫をしてみた。

先輩のSさんに応援をお願いして、Sさんがお正客、私が亭主、そして初心者の3人が連客となり、まずは待合(実は寝室を片付けてカーペットを敷いた場所)へ。

板木(ばんき)に見立てた板を叩いて、揃ったことを知らせるところで、このショーの開幕!!

亭主から出された汲み出しを飲んで、待合の掛け軸(クローゼットのドアを床に見立てて)を拝見して露地(カーペットを敷いた廊下)へ。亭主はリビングとの境で迎えつけ。そしてベランダに拵えた蹲(つくばい)で手を清め、口を濯いで席に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは、床を拝見。

そして、釜を拝見。そして、棚を・・・

 

 

そこで、見慣れない物を見つけて目を丸くする新人たち。でも、その場では口をつぐんだまま、懸命に正客の所作を真似て席に着く。

 

そんな風に始まった茶事の真似事。

もちろん、懐石も炭点前も実際にするわけではなかったが、少しは分かってもらえただろうか。

 

後になって、「羽ペンとインク壺だと思った」と聞き、先入観のないことの凄さを思い知った。

確かに羽根がいきなり出てきてもねえ。正解は、炭手前に使う羽根と練香を入れる香合で、干支の丑の染付。

それほど遠くない日に、炭手前ができるといいね。

 

 

 

 

花びら餅も食べて、中立ち。これで、第一幕目、初座が終了。

中立ちの間に、亭主の私は軸を巻き取り、花を床に、茶入を水指前に飾って濃茶の準備。

 

 

 

 

 

近くに咲いていた藪椿と花屋で見つけた啓翁桜を信楽の花入れに。

 

 

銅鑼(実はホーロー鍋)を鳴らす音で、第二幕目、後座が始まるわけだが、こうした様々な工夫で準備したマンションでの茶事の真似事。薄茶を点ててのむだけではない、奥深いお茶の世界を垣間見る機会となってくれたのならいいのだが。