2月の薬木(ヤブツバキ)

先週、暖かな日和での久しぶりのゴルフ。相変わらずのへっぽこゴルファーぶりだが、気の置けない仲間との楽しいひと時。ティーグラウンドに立って、遠くのマンションを目標に定めるわけだが、なんだか霞んでいる。

「スギ花粉の到来だ!!」

耳鼻科の処方せんを受ける私は、自分自身は花粉症はないものの、スギ花粉には敏感にならざるを得ない。

予想通り、その翌日から怒涛の日々。

これから1か月、全力疾走の毎日、これが私たちの春の訪れ。

 

さて、ほかに目を移すと、通勤途中の香椎浜のヤブツバキスイセンは花盛り。でも、随分と数が減ってきている。そう言えば、この時期目立っていたセンダンの実も少ない。

たくさんの鴨やクロツラヘラサギなどの冬鳥は来ているものの、植物の種類が減っているのは気になるところだ。

 

今月の薬草も9年目に入り、何を書こうかと悩みが大きいが、なんと大好きなヤブツバキをまだ取り上げてなかった。

出身地の大牟田の市の花で、マンホール蓋のデザインにもなっている。

でも、ヤブツバキを身近に感じるのは、こちらで海のそばに暮らし始めてから。可憐な花を次から次へと咲かせては、ポトリポトリと落ちていく姿。花からは想像できないような大きな果実を実らせる。ヨーロッパのオリーブ油に対して日本の椿油だったはずだが、最近はどうも分が悪い。復権が望まれる。

 

 

 

ヤブツバキ(藪椿) Camellia japonica      ツバキ科

生育場所:海岸近くの山地に生える常緑高木

利用部位:葉、花、種子;山茶花(サンチャカ)、ツバキ油

医薬品:ツバキ油は軟膏基剤、頭髪油として

民間薬:夜尿症に実の黒焼を服用

 

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筆者の故郷、大牟田市の花がこの藪椿、大好きな花です。

日本原産で古事記には「都婆岐(つばき)」日本書紀には「海石榴(つばき)」の字で登場します。

クチクラの発達した光沢の有る革質の葉に深紅の花、この花は満開になっても90度にもなりません。これは根元がくっついているからで、落花の時は花ごとばさっと落ちるのです。黒澤映画、椿三十郎の水の流れに浮かんだ落椿は印象的でした。

冬場は昆虫が少ないので花粉の媒介はメジロなどの小鳥が行っています。

種子は油をたくさん含んでおり、以前は家庭に必ず椿油が1本ありました。私もシャンプーの後のすすぎに椿油を少し落としてリンス代わりにした記憶があります。

名の由来には艶のある、厚い、強いという葉の形状から「艶葉木」「厚葉木」「強葉木」から、また落ちた花が刀の鍔に似ているので「鍔木」から転訛したという説などあります。

志賀島では大木が見られます。