6月の薬草(ハンゲショウ)

毎週末のお茶の稽古の準備、道具はもちろんだが、お茶、お菓子、そしてお花。

毎日鉢植えに水やりをしながら、これが咲いてくれるか、それとも・・・・と気が気ではない。

普段のお稽古でもそれなので、お茶会となると、もう大変。

先日の茶会では、スタッフのお母さんの丹精込めた花を切ってもらって、私には過ぎた床の花が出来上がった。

竹島百合、河原撫子、擬宝珠の3種を巻水蒔絵の花入に

さて、この時期からしばらく活躍してくれる茶花のひとつがハンゲショウ(半夏生)だ。

実家の庭にも毎年白い花とともに、葉を白くさせていましたが、その実家も今はなくなり、寂しく思っていた。幸いに、昨年友人に分けてもらった一株が、順調に育っている。次のお稽古では使えそうだ。

花穂はつけているが、まだ葉は青いまま


ハンゲショウ(半夏生)Saururus chinensis     ドクダミ科

生育場所:水辺に生える多年草

利用部位:全草;三白草(サンパクソウ)

民間薬:利尿、解熱に煎服

茎は直立し、葉は耳状ハート形で先は尖り、5~7条の脈があり淡緑色。夏に穂状花序に白い小さな花をびっしりつけますが、花穂ははじめ垂れ下がり、開花とともに立ってきます。

生薬で半夏といえばカラスビシャク、暦の「半夏生」は半夏が生えるころ、七十二節気のひとつで夏至から数えて11日目、7月2日ごろにあたります。農家にとっては大事な節目で、田植えも終わり、そのことを田の神様に感謝する風習もあちこちに残っています。

丁度その頃に、白く化粧したような葉をつけて、白い穂の花を咲かせます。名前の由来は「半夏生」の頃に咲く花というだけではなく、半分化粧したようにみえるところからも。葉の片面だけ白くなることからカタシログサ(片白草)という別名もあります。

花期に葉が白くなるのは虫媒花であるため、虫を誘う必要からだそうです。茶花として活けても涼しさを感じさせる花です。