6月の薬草(オオバコ)

とても身近なオオバコ。一年中道端で見られ、花の時期も長い。人の通るところでも、アスファルトの間からでも芽を出して生き抜くど根性の持ち主。その上、薬効がある。

こんなスーパープランツを今まで取り上げてこなかったことに気づいた。遅ればせながら今回登場!!

長谷ダムふれあいロードの薬草観察では、毎回取り上げるのだが、広場ではこまめに草刈りをされるので、小さなオオバコしか見られない。でも、どんなに刈り取られても、他の植物より先に芽を出して、先に太陽を浴びる元気な奴。これが、咳止めとして役に立っていることがわかると、なんとも愛おしい。


オオバコ(大葉子)Plantago asiatica   オオバコ科               

生育場所:路傍にみられる多年草

利用部位:全草;局シャゼンソウ(車前草)、種子;局シャゼンシ(車前子)

民間薬:咳止め、膀胱炎、利尿には種子または葉を煎服、健胃には葉を煎服

医薬品:フスタギン散の原料

漢方処方:五淋散、清心連子飲、牛車腎気丸

昔から愛用されてきた庶民的な薬草で、5~9月の長い期間にわたって穂状の花を咲かせ道端でよく見かけます。生薬名の車前子、車前草は車や人がふみつけるところでよく育つところから。逆に人の入らない野原では、他の背の高い草に負けて育ちません。

葉は多数根生し、卵型で先端はとがらず数条の平行脈があります。草丈10~50cmの花茎を出し、穂状花序に白い花を密生します。

長谷ダム記念広場、長谷ふれあいロードのあちこちにいくらでも見られますが、薬草に興味のない人にとっては雑草でしかなく、油断すると刈り取られてしまっていました。