5月の薬草(ムサシアブミ)

大学時代の部活の仲間10名と72番札所曼荼羅寺の住職になった先輩を訪ねて3日間の四国ツアー。

お天気にも恵まれて、久々の観光を楽しんだ。

特に2日目の大歩危小歩危かずら橋の山深い渓谷、そして途中の「にしいや道の駅」でたまたま見たクマガイソウの写真で、矢も楯もたまらず山頂の山草園まで足を延ばした。付き合ってくれた仲間たち、ありがとう。

残念ながら、行きついた園はすでに閉鎖されていたが、それでも頼み込んで遠目に見事なクマガイソウの群生を見ることが出来た。

そんな深い林の中なので、まあ草たちの元気なこと。茶花でありがたがって使うユキモチソウ(雪餅草)の巨大さに圧倒されていたら、案の定仲間のマムシグサやムサシアブミも。

2枚の葉の間から延びる独特の花、それぞれの葉の違いも面白い。


ムサシアブミ(武蔵鐙)Arisaema ringens   サトイモ

生育場所:山野の木陰の湿った所に自生する多年草

利用部位:球茎;天南星(テンナンショウ)

漢方処方:二朮湯、清湿化痰湯

マムシグサ、ウラシマソウと同じサトイモ科テンナンショウ属で、ともに仏炎苞を持つ外観は一見よく似ています。志賀島ではマムシグサとムサシアブミを並んで見ることができ、両者の違いがよくわかります。鳥足状複葉2枚の間からそれよりも高く仏炎苞を出すマムシグサに対し、大きな三出複葉2枚の間に低く仏炎苞を出すのがムサシアブミです。 名前の由来はその花の形が馬具の「鐙(あぶみ)」に似ているからで、平安時代以前から武蔵の国の特産品として鐙は作られていました。伊勢物語にも「武蔵鐙」という言葉は出てきますが、恋文に記されていて鐙のどちら側を踏んだらよいか思いまどう(二股愛で迷っている?)という意味で使われており、植物名とは無関係です。