ここに来てめっきり秋めいてきた。
私の中では、東区の花火大会は夏の終わりを告げ、放生会は秋の到来を告げてくれる。
八百屋の店先では、西瓜や桃から梨や栗、ブドウに主役が入れ替わる。
野山を歩くと、萩の花が咲きこぼれている。そして、ドングリがまだ青いまま育っているし、栗も大きな実をつけている。
ところで、秋の七草言えますか?覚え方は
お オミナエシ
す ススキ
き キキョウ
な ナデシコ
ふ フジバカマ
く クズ
は ハギ
この中でもフジバカマはなかなか自生のものには出会えませんが、九重のタデ原湿原ではこんなりっぱな花に迎えられました。もちろん、この時期のヒゴタイはそれはそれは見事ですが、足元にはシラヒゲソウやミズトンボ、そしてピンクと白のなど、夢のような花の野でした。
フジバカマ(藤袴)Eupatorium japonicum キク科
生育場所:河原、山野に生える多年草
利用部位:根;蘭草(ランソウ)
民間薬:利尿に煎服
秋の七草のひとつで、かつては日本各地の河原などに群生していましたが、今は数を減らして、環境省のレッドリストでは準絶滅危惧(NT)種に指定されています。
茎は真っ直ぐに1~1.5mに伸び、初秋、頂に薄紫色の頭花を咲かせます。葉は対生、深い3つの切れ込みと鋸歯があります。
半乾きでいい香りがするので、匂い袋にも用いられ、平安のころから重用されていました。由来は花の色が藤色で袴を帯びているように見えるところから。
「藤袴脱ぎかけし主や誰、問へどこたへず野辺の秋風」金槐和歌集 源実朝
最近は遠く海を渡って移動する美しい揚羽蝶アサギマダラの食草としても知られています。もうすぐ、フジバカマに群れ飛ぶ蝶の姿がニュースでも伝えられるでしょう。