11月の薬草(ツワブキ)

薬草観察の季節ももう終わりに近づいてきました。

私たち薬草同好会の今年最後の行事となる立花山での観察会。三日月山と隣り合っている身近な山で、特に我が家からは、立花山から朝日が昇り、立花山おろしの風を受けるという山なのです。

当日は秋晴れの素晴らしい天気。私は一度、立花口の方から登ったことはあるのですが、ほとんどの人が初めて。高齢者も多いので、麓散策のB組と登山のA組に分かれて歩き始めました。

下原バス停から登山口へ。その間もよその庭のナスウンシュウミカンナンテンシロナンテンと見るものが多く、なかなか前へ進みません。

 

 

 

ツワブキの花の黄色が鮮やかです。この花の少ない季節にひときわ鮮やかに迎えてくれます。これの花が登山口への迎えてくれます。

 

 

登り始めると立派なマムシグサが大きな実をつけていますが、背が高いこの草は自分の頭を支えきれずに、ほとんどが倒れてしまっています。ヤブコウジも赤い実をつけていますね。ジャノヒゲも実がついてますが、まだ瑠璃色にはなっていません。

 

 

イズセンリョウサネカズラテイカカズラと見つけつつ、だんだん険しい道へ。特に谷側は滑りやすく、注意しながら分岐点へ。今度は根っこが這っていて、土をとどめてくれているものの歩きにくいことこの上ない。もう、観察どころではなく、ひたすら頂上を目指します。

登り始めて1時間半、11名全員山頂へ到達!!

志賀島、玄海島、能古島の見える素晴らしい景色が迎えてくれました。

 

一休みして違う経路で下山。

そこで判明したのですが、私たちは険しいほうの道を登ってしまっていたようです。

少し余裕ができて、また観察開始。

ヤマアイがありました。

 

 

そして、見たこともない植物が!!

写真を撮って後で調べることに。

 

 

絶滅危惧種のツルギキョウのようです。

 

この5年間で得た植物に対する知識を確認しながらの楽しい登山でした。

 

 

ツワブキ(石蕗)Farfugium japonicum    キク科

生育場所:山野に生える常緑多年草
利用部位:葉、根茎;橐吾(タクゴ)
民間薬:葉は腫れ物、皮膚炎に火で煎り揉んで貼る。根は食あたりに煎服

 

春はきゃらぶきとしておいしい山菜のツワブキは10月ごろの花の少なくなった季節に鮮やかな黄色い花を咲かせます。長い軸を持った丸い大きな濃緑色の葉の表はワックスのような層(クチクラ、英語でキューティクル)で、つやつやした光沢があり冬も緑を保ちます。葉はフキに似て、名前も艶のある蕗から。
三日月山登山道の中腹や長谷ふれあいロードでもたくさん見ることができます。

「いくたびか時雨のあめのかかりたる石蕗の花もつひに終はりぬ」 斎藤茂吉