茶の湯ワークショップも2回目。
前回の参加者からは、「自宅で復習しようと思ってももうわからない」との声で、教則本から抜粋した帛紗の付け方などを渡した。
今はその気になれば、動画でも見られる時代。私の役目は直に道具に触れる場を提供すること。そして、仲間とともに始めることで、楽しさも違ってくるはず。
雨の晴れ間をねらって近くの海岸で野草を切ってきた。ほおっておいたら刈り取られてしまうたぐいのエノコログサ、ハルジョオンなど。それに我が家の女郎花(オミナエシ)を籠に。軸は、喝堂和尚の「雲悠々水潺々」。大雨の被害の映像に胸が痛む日々、早くこんな青空、透き通った水の流れを見たいものだ。
さて、前回の復習をした後、「棗を清める」「茶杓を清める」「茶碗を拭く」「茶筅通し」の割り稽古をして、いざ盆略点前。総礼で入室から茶を点てて出すところまで。客の位置でほかの人の点前を見ている間が大切。4人が1回ずつ点前をする終わりのころにはずいぶん様になってきた。これからが楽しみだ。
茶の湯ワークショップ(その2)
堂々と
前回、お菓子をいただいたて点てられたお茶を喫する、客の所作を実際にやってみてどんな感想を持たれたでしょう。今まで丁寧な作法と思ってやっていた両手で扱うことが注意を受けて面喰いませんでしたか。
お茶の歴史の中で、大きく動いたのは戦国時代。斎藤道三や織田信長、豊臣秀吉が茶の湯に夢中になりました。それまでの礼法では、がんじがらめで部下と殿様が取次なしに直に言葉を交わすことはなかなか難しかった時代に、茶室の中では同格で相まみえることができました。そんな中から千利休が登場するわけですが・・・・
今の時代の私たちも、武士になったようなつもりで、堂々と背筋を伸ばして、ゆったり構えてお茶に向き合うとだんだん人格まで大きくなっていくような気分です。それが、気分ではなく本物になっていくことを期待して・・・
茶席の道具;掛物
茶席のテーマを示す最も大切な道具が掛物です。
禅僧の筆による墨跡、皇族、公家の書いた和歌色紙、家元の書いた一行、歴史的茶人の消息(手紙)などの種類があります。書いた人の人徳を慕い、特に禅語の場合(多くの墨跡は禅語となっています)は言葉の重みを理解することが大切です。
席入りして、真っ先に床に向かい頭を下げることの重みを理解しましょう。
【雲悠々水潺々】
夏の空にぼっかりと雲が悠然と浮かび動くことがない一方、谷川の水はひとときも絶えることなく潺々(せんせん さらさら)と流れる様をいうそうです。
自然界の「動と静」の得も言われぬ絶妙の在り様を言い、また、雲のように心無く自在に、水のように形無く自由にある姿を「あるべき生(い)き様(ざま)」として表す言葉でもあります。