桜の開花が例年より早く始まった。日中の穏やかな日和で一気に満開へといきそうだ。
ウメに始まり、モモ、アンズ、そして今はコブシやソメイヨシノの華やかなものへ目がいきがちのこの季節。
アンズ(杏)の花
コブシ(辛夷)の花
でも、クスノキは柔らかい葉を出して、昨年までの古い葉を落とす「楠落葉」の季節。
数年前に行った皿倉山では、たくさんのニワトコが地味に花を咲かせていた。
薬草観察で山に入るとよく出会う木なのに、未だに即座に名前が出てこないのが悔しい。そろそろ、しっかり見分けができるようにしたいものだ。
ニワトコ(接骨木)Sambucussieboldiana レンプクソウ科
生育場所:山野に生え、庭木に植栽される落葉低木
利用部位:茎;接骨木(セッコツボク)、葉;接骨葉(セッコツヨウ)
民間薬:接骨木は利尿鎮痛に煎服。打撲や骨折に浴剤として使用、接骨葉はヘルペスに外用
漢方処方:順血散
庭によく植えられているので庭常(ニワトコ)といわれたことが名前の由来で、別名タズノキともいいますが、これはタズ(ヘルペス)に葉を用いたことからとも、また葉の様子を鶴に見立ててとも云われています。
昔の接骨医は、接骨木の黒焼にうどん粉と酢を加えて練ったものを患部に厚く塗って副木を当てておくという治療をしたそうです。
今はハリーポッターで出てくる杖と言った方がわかりやすいでしょうか。
下からたくさんに枝分かれして弧を描いた姿で高さが2~6mになり、古い樹皮はコルク質で深いひび割れをつくります。葉は対生の奇数羽状複葉で花のつかない枝は縁に細鋸歯のある小葉が3~6対で50cm近くにもなります。春に枝先に黄白色の小さい花をたくさん(円錐花序)つけます。