ベランダで育てている茶花になりそうな様々な野草の数々。その中で、3年目にしてやっと大きくなった女郎花が、7月から咲き始めた。
花入れに桔梗や撫子とともに投げ入れていると、ほかの花はすぐしぼんでしまうので女郎花だけが残ってしまう。そして気がつくと独特の匂いを発していることがある。この草の生薬名は敗醤根、「なるほど」と合点がいった。
オミナエシ(女郎花)Patrinia scabriosaefolia スイカズラ科
生育場所:山野に生える多年草
利用部位:根;敗醤根(ハイショウコン)
民間薬:腫れ物に煎服
漢方処方:薏苡附子敗醤散
秋の七草に入っている可愛い花。8~10月に黄色い米粒状の小さい花が傘を逆に開いたように咲きます。草丈80~100cm、茎は直立してやや太く、葉は対生し、羽状全裂します。長谷ふれあいロードでもわずかに見ることができます。
風にそよぐ細長い茎がいかにも女性的で、かつては「美しい人」を表していた言葉、女郎の名がつきました。
源氏物語に
「花といえば名こそあだなれ女郎花なべての露に乱れやはする」
の記述があり、その頃にはすでに女郎花の名が定着していました。
生薬名の敗醤は乾燥させるときに醤油の腐ったような臭いがするところからきています。