9月10月は秋の薬草観察の季節。
今年も油山での三区合同の市民向け薬草観察のお手伝い。
私は早良区を担当で、ちょうど花をつけているセッコクからスタートした。
この花はちゃっかりと樹木に着生して、水分は空中からとるということで、決して寄生ではないらしい。薬の神様の少彦名(スクナヒコ)の名を持つこと、そして少彦名は一寸法師との説もあることを説明すると大いに盛り上がった。
セッコク(石斛)Dendorobium monillforme ラン科
生育場所:湿気の多いところで常緑樹の老樹、岩石などに着生する常緑の多年草
利用部位:茎;石斛(セッコク)
民間薬:消炎、強壮、健胃に煎服
漢方処方:石斛湯、石斛清胃湯、甘露飲
デンドロビウムの仲間で日本でも自生する種がこのセッコクです。独自の品種や楽しみ方が江戸時代に確立され脈々と受け継がれている古典植物だそうです。
岩や樹に根をはりつかせて自生する着生ランで、水分は空気中からとるため湿気の多い所で育ちます。菊池渓谷で見たものも、清流の上に茂った樹についていました。
古くは少名彦薬根(スクナヒコノクスネ)とも呼ばれ、薬の神様の名を持つ薬用植物です。
草丈5~25cm、多数のひげ根があり、茎は多数が束で根ぎわから出ており、節があります。葉は皮針形で互生し、晩春に茎上部の節に1~2個、淡紅色の花をつけます。
油山の管理事務所そばでも見ることができましたが、これは自生ではなさそうです。