10月の薬草(センブリ)

8月いっぱいで退任した私は、もう社長ではないのでこのブログのタイトルも考えなくちゃと思いながらやめるでもなく、かと言ってリニューアルするでもなくズルズル続けさせてもらいます。

センブリ、三大民間薬のひとつなので、早く取り上げたかったが、今時なかなか花に出会うことができず、先週やっと念願の写真が撮れた。因みに三大民間薬は「ゲンノショウコ」「ドクダミ」そしてこの度の「センブリ」とどれをとってもかわいい花。

九重にセンブリの株があるとの情報で、花の時期を待って出かけた。タデ原湿原では、ハンカイソウは終わってススキの原になっている。アキグミ、ノリウツギは実をつけている。場所を変えて、ウメバチソウ、シラヤマギク・・・・・

そして、とうとう出会うことが出来た。永年の恋人センブリの花に。その上、ムラサキセンブリの大きな株も満開。夢中で写真を撮って、渾身の一枚。

センブリ(千振)Swertia japonica   リンドウ科

生育場所:山野の日当たりのいい草地に自生する2年草

利用部位:全草;局センブリ(当薬)

民間薬:胃弱、食欲不振などに浸服、又は粉末を内服。苦味チンキの原料。

医薬品:健胃配合剤「YD」

観察を始めて5年目でやっと野生のものに出会えました。非常に苦く、千回振りだしてもまだ苦いことからセンブリの名がつきました。

草丈20~25㎝、紫色を帯びた稜にある四角い茎が枝分かれして、根生葉は小形で茎にまとわりついた皮針形、茎葉は対生し、広線形で鋭頭、全縁。初秋に枝先と葉えきに紫色の線の入った白色の5弁花を多数円錐花序につけます。

ゲンノショウコ、ドクダミとともに日本三大民間薬で、昔はノミ、シラミの殺虫薬として用いられていたそうです。センブリの苦さは人間相手ではなく、虫に食べられないためのものだったのでしょう。それなのに、花の時期に採取してしまう人間により、これも絶滅の危機に瀕しています。

センブリ5.JPG別名の「当薬」は当(まさ)に効く薬の意味で、日本独自で発達しできました。最近は皮膚の血行促進作用から養毛剤や化粧品にも用いられています。