美しかった紅葉も終わり、カラスウリやセンリョウなどの赤い実がわずかに彩りとなる寂しい季節。
イチョウ(銀杏)の葉は秋の最後に黄ひといろを輝かせ、今は大量の落ち葉をうずたかく積もらせている。
イチョウで印象に残っている光景がある。大学生のとき、構内にイチョウの大木が一本あった。この季節、保育園の子供たちが、積もったイチョウの葉にうずもれながら両手にすくっては投げ上げ遊ぶ様子がまるでフランスの名画を見ているようで本当に美しかった。
イチョウ(銀杏) Ginkgo biloba イチョウ科
生薬名:銀杏(ギンナン)白果(ハクカ)
生育場所:市街地
採取時期:秋
利用部位:種子
薬効と用い方
咳止めに種仁を煮て食べる。
多食すると中毒するので注意!!
これもご存知の高木ですが、葉にはフラボノイドを含みます。
ヨーロッパの方がイチョウの研究はさかんでイチョウ葉エキス標準品(EGb761)はフランス、ドイツなどで脳血管代謝改善、血管性の耳鳴り、めまいの効果で医薬品になっています。1970年代日本から輸入したイチョウ葉で製剤開発をし、そのときの総理、田中角栄にちなみフランスではこの製剤に「タナカン」と命名されているとか。
日本では研究は進まず医薬品にはなっていません。最近は「もの忘れ」に健康食品として販売されています。
ところで、イチョウの名の由来ですが、葉の形がアヒルの足形に似ていて「鴨脚」の中国の発音「ヤーチャオ」がイチョウになったということです。