6月の薬草(ドクダミ)

梅雨に入って紫陽花や花菖蒲の便りが届き始めました。アジサイ属のノリウツギは薬草として使うものの、見事な花の紫陽花は薬草とは言い難く・・・
何にしようかと考えていたら、足元に可愛い十字の花が咲いていました。
 
どくだみや真昼の闇に白十字  川端茅舎
 
日陰のじめっとした暗闇に真っ白い花が肩寄せ合って咲いています。
 
ドクダミ Houttuynia cordata   ドクダミ科
 
生薬名:(局)ジュウヤク(十薬)
生育場所:原野、道端に普通に見られる多年草
利用部位:全草
薬効と用い方
民間薬として利尿、緩下、血管強化に煎服。生の葉は化膿性腫れ物、鼻炎に外用
漢方薬
五物解毒湯

霊園近くで見つけたドクダミ、これは草全体に強い臭いがあり、筆者の幼少時にはトイレの傍に蔓延っていた嫌われ者でしたが、最近は街中で見る機会は少なくなりました。夏に咲くペンキを塗ったような白い十字の部分は花びらではなく葉が変形したもの(総苞片)で、中心の穂の部分は小花が集まったもの(花穂)です。草丈15~35cm、茎は直立で分枝、葉はまばらに互生して広ハート形で先は短く尖り暗緑色です。乾燥するとこの臭いはなくなりますが、ベトナムでは生の葉を魚料理に使うそうです。
独特の臭いから何か毒でも入っているのではないか?ということからドクダメ(毒溜め)がドクダミに転訛しました。また江戸時代貝原益軒の「大和本草」の中に「十種の薬の能ありて十薬となす」という記述があります。

というわけで、最後にパクリの一句
 
 どくだみは十の効き目の白十字