5月の薬草(カンアオイ)

140526-1京都では葵祭りが始まったとのニュースが届きました。その中で、主役の葵の葉が鹿に食い荒らされて納めることができないという中、静岡県の葵小学校の児童が、葵を育てて届けてくれたということでした。

私は、残念ながらまだ葵まつりは見たことがありませんが、この期間、京都の町ではいたるところに葵が飾られているそうです。
元々、賀茂神社の紋である三つ葵。日本人なら誰もが水戸黄門の決めゼリフ

140526-2「この葵のご紋が目に入らぬか!!」

で、徳川家の紋でもあることは知っていますが・・・・

さて、葵の葉ってわかりますか?

私もこれだけ歩き回って観察しても、葵のご紋のフタバアオイ(双葉葵)には、出くわしていません。
でも、男池でサンヨウアオイ(三葉葵)、菊池渓谷でタイリンアオイ(大輪葵)を見ることはできました。
これらの近縁のウスバサイシン(薄葉細辛)は漢方でもよく使用する(局)サイシン(細辛)で、立派な薬草です。

カンアオイ(寒葵) Asarum kooyanum ウマノスズクサ科
 
生薬名:土細辛(ドサイシン)
生育場所:山地の樹下に生える常緑多年草
利用部位:根、根茎
薬効と利用法:咳、発汗、胸痛に煎服
 
男池のそばで土の中に咲くこの花を見たときは驚きました。冬でも葉が枯れずに緑色で葉の形はアオイに似ている為、この和名はつきました。
根茎は地表近くを匍匐し、茎は短く分枝し、茎の先に1個の葉と花をつけます。長い葉柄を持ち、葉は卵形、表面は濃緑色で白斑があり、花は暗紫色で冬に咲きます。