梅雨明け間近、いよいよ暑い暑い夏がやって来る。
で、この季節の花は・・・・
夏の花といえば、熱帯のジャングルに咲く花や、沖縄のハイビスカスなど、強烈な色彩の花を思い浮かべがちだ。でも、日本の夏の花を挙げてみると、アサガオ、ハス、ツキミソウ、ムクゲ、ハマボウなどなど、どれもこれも、やさしい花ばかり。
その中で、ふつうに道端に見られるツユクサも、青い色が涼しげ。その上、朝露をつけての姿、いいですよね・・・・
このきれいな青色、退色しやすいのが難。昔は浮世絵に使ってあったそうで、古い時代の浮世絵の青色は、そのために色あせてしまっています。
葛飾北斎が高価な『べろ藍』を使って、富嶽三十六景を描いていますが、鉱物系の染料コバルトを使って初めて、時代を超えた美しい青が得られました。
ツユクサ(露草)Commelina communis ツユクサ科
生薬名:鴨跖草(オウセキソウ)
生育場所:草地にみられる一年草
利用部位:全草
薬効と用い方
民間薬として解熱、下痢止め、利尿に煎服。
草丈15~50cm、茎は基部で地を這った後分枝し、上部は斜めに伸びていきます。葉は2列互生し、卵状皮針形で柄はありません。
朝露を受けて咲き始め午後になるとしぼんでくるため、そのはかなさを詠んだ歌が万葉集にも残されています。「月草」「蛍草」「青草」「藍草」「帽子花」などたくさんの別名を持つ身近な花で、長谷ダムふれあいロードの赤い橋の傍で見つけました。
「月草のうつろいやすく思へかも我が思う人の言(こと)も告げ来ぬ」大伴坂上大嬢(おおとものさかのうえのおおいらつめ)