10月の薬草(クサギ)

この季節の山で目を引くクサギ(臭木)を取り上げましょう。
夏に、白い花を咲かせ、赤紫のつぼみと深緑の葉がよく目出します。それが実になる今の季節は、赤いがくの先に瑠璃色の豆のような実がつき、その対比がとてもきれいです。青色の染料はなかなかとれないそうですが、この実は媒染料を使わず青い色を染めることができます。

しかし、この木の特徴はなんと言ってもその臭いでしょう。名前の由来は葉っぱが臭いからということですが、私はそれほどいやな臭いとは思いません。ビタミンB剤のにおい、ピーナッツクリームのにおいなどと書いてあるものもあります。

薬草観察には目だけではなく、鼻も使って・・・

 

クサギ(臭木)Clerodendrum trichotomum Thunberg   シソ科

 

生薬名:臭梧桐(シュウゴトウ)
生育場所:山野に生える落葉低木または小高木
利用部位:葉、茎、根皮
薬効と用い方
民間薬としてリウマチ、高血圧、下痢に乾燥した茎葉を煎服。
民間薬として利尿、健胃に乾燥した根皮を煎服。

葉に一種異様な臭いがあることがこの名の由来という落葉低木。花期は8月ごろ、白い花びらが初めは緑、次第に赤くなるがくから大きく突き出しその先で開き、雄しべ雌しべは更に突き出して甘い香りがあります。秋に熟す果実は赤く開いたがくに紺色の実でよく目立ちます。
樹高約3m、たくさん枝分かれして葉は対生、柄があり先端がとがった広卵形です。
長谷ダムふれあいロード、油山で見られます。