宗旦忌

お茶を始めて30年余り。
その間に「宗洋」という茶名も戴いているものの、修練はできないまま年を重ねてしまった。
今回、社中の先輩からの誘いがあり、思い切って宗旦忌に参列した。これは、宗家三大忌のひとつで三代の元伯宗旦の供養の茶会を裏千家が催されるもの。同門社中は希望すれば参列することができるもので、今日庵の兜門の中まで入ることができる数少ないチャンスだ。もちろん私にとっては始めての経験となる。

前日の18日に京都に入り、瓢亭別館の松花堂弁当をいただいたあと南禅寺、永観堂ともみじの錦と人の波の中を散策。天気もよく、上を見上げれば、薄いイロハカエデの紅い葉を透かして光が差し込んでくる。周りの山を見ても、鮮やかな紅い所が多く、まさに「山装う」だ。
南禅寺の山門では、思わず
「絶景かな、絶海かな~」

ライトアップされた高台寺へと移動。
お茶道具では、高台寺蒔絵という、菊と桐をあしらったデザインは有名だが、その原型がここにあるという。
でも、残念ながら紅葉には少し早かった。

19日、早朝からホテルの部屋で銘々に着つけて、8時前には受付の茶道資料館へ。
草履と荷物を預けて受付へ向かうと、すでに244番。
今日一日でいったい何人がお茶席へ入るのだろう?

まず、学園席に案内される。
これは裏千家学園茶道専門学校で学ぶ生徒さん達がもてなしてくれる席。生徒といっても、基礎の上に更に・・という方々。私にはできないその姿勢に、みなが眩しく感じる。中には年配の男性もいらして興味深い。
次は、いよいよ兜門をくぐって・・・
式典でお家元、大宗匠のごあいさつ、名誉教授の親授式などのあと、宗家のご夫人たちの催される本席へ。
まだまだ続くわけだが、どの席も知識としては知っているという見事な道具の数々、そして優雅で無駄のない亭主側の動き、そして洗練された正客と後見の問答、また、大勢の相客の心配りの気持ちのよさ。
本当に、お茶の世界でつながっている素晴らしさを感じることができた。

すべてを終えて、堺社中御一行様の記念撮影は兜門の前で!!