7月の薬草(キキョウ)

梅雨明けまだ?
蝉がワンワン鳴かないから、まだなんでしょう。
でも、毎年花が咲く時期は早くなって、秋の七草の桔梗は今が見ごろ。
スッキリした青色の涼しげな花はよく知ってますが、残念ながら自然の中で見ることはほとんどありません。
薬草としても重要で、のどが痛いと訴える方には桔梗湯を勧めることは多いですね。

キキョウ(桔梗)Platycodon grandiflorus   キキョウ科

生薬名:(局)キキョウコン(桔梗根)
生育場所:山中の草地に生える多年草
薬用部位:根
漢方処方
桔梗湯、銀翹散、十味敗毒湯、防風通聖散、排膿散

秋の七草のひとつ、万葉集での朝顔の花はこの桔梗のこと、現在は絶滅危惧種に指定されています。
草丈40~100cm、根は多肉で黄白色、葉は互生、先が尖りきょ歯があります。秋に茎の頂に青紫色の5弁の鏑形の花をつけます。また、開花直前のつぼみは花びらがくっついたまま膨らんで風船のようにぷっくりとしています。
このすっきりと美しい花の形が武士に好まれたようで、家紋に取り入れられたり、江戸城には桔梗の間や桔梗門があります。
薬用成分はキキョウサポニンでサポニンは昆虫にとっては有害なので、食害から自らの身を守っています。

「秋の野に咲きたる花を指折りてかき数ふれば七種の花。萩が花、尾花、くず花、なでしこの花、おみなへし、藤袴またあさごほの花」  万葉集の山上憶良

「桔梗の花咲く時ぽんと言ひそうな」   加賀千代女