4月の薬草(カラスノエンドウとスズメノエンドウ)

今の季節、シベリアへ渡る前の冬鳥たちが腹ごしらえに余念がありません。暖かい日差しに誘われて、海岸を歩く私たちのすぐそばで、たくさんのコガモやスズカモ、そしてクロツラヘラサギにも出会います。

花屋さんにスイートピーが並ぶころ、畑ではえんどう豆の花が満開、そして野原では・・・
四王寺に行っても和白海岸に行っても、そして我が家のまわりでも見られる小さい豆の花、小さいながら唇型の花弁、奇数羽状複葉の立派なマメ科のカラスノエンドウ、そしてもっと小さい、もしゃもしゃした感じのスズメノエンドウ、もうおなじみの姉妹たち。

 

カラスノエンドウ(烏野豌豆)Vicia sativa   マメ科

 

生育場所:原野、道端、土手に生える越年草

利用部位:豆果(果実)、全草
薬効と用い方:民間薬として軽い胃のもたれに煎服

幼いとき熟する豆の両端を切り落として草笛にして遊んだ人も多のでは。福岡では「ピーピーマメ」、別名のヤハズエンドウは葉の先端がくぼんでいるので弓矢の矢筈に見立てたものです。近縁にスズメノエンドウ、カスマグサがあります。
草丈60~90cm、全体に毛があり茎は根元から分枝し、葉は互生、偶数羽状複葉で3~7対の小葉があります。春に蝶型の花を1~2個咲かせ、その後の豆果は長く、ほとんど無毛で10個ほどの種子を持ち食べることができます。また、熟すと黒くなり、これがカラスの由来です。
因みに、スズメノエンドウは豆果は有毛で種子は2個、花は4個、その中間のカスマグサは種子を4~5個、花は2~3個つけます