5月の薬草(クスノキ)

誰もが知っているクスノキ。
たいていのお社には大きなクスノキが鬱蒼と茂っていて、樹齢何百年の大楠も・・・・
でも、こうして薬草、薬樹(?)を見るようになって、この時期のクスノキの美しさに初めて気づいた。
常緑樹だけど、この時期は新しい若緑の葉が出てきて、小さい同じ色の花をたくさん、それが青空に映えて本当に美しい。

 

クスノキ(楠)Cinnamomum camphora  クスノキ科

 

生薬名:樟脳(ショウノウ)
生育場所:山野、広く植栽される常緑高木
利用部位:枝葉から析出した樟脳
薬効と用い方:枝葉を蒸留して得られる固体を樟脳といい防虫剤に
医薬品:強心剤、皮膚病外用薬の軟膏、チンキに配合して痒み止めや防腐剤に

天然記念物にも指定される巨木もあるクスノキですが、これは特異な芳香を持つ精油成分を含んでいて、これが害虫などに抵抗力を持っていて大木になるまで育つからです。
樹高約20m、幹径2m以上になり、葉は互生し卵形、フリルで光沢があります。初夏、葉えきの円すい花序に初め白色、その後黄色をおびる小さい花をつけ、実は黒い球形、樹皮は縦に短冊状の深い割れ目があります。
カンフル注射のカンフルはこの樟脳をさし、また樟脳の防虫効果はご存知の通りです。名の由来も「薬(クス)の木」から「奇木(クシキキ)」からとも。
立花山のクスノキは自生の北限として国の天然記念物に指定されています。