12月の薬草(トウゲシバ)

この時期、毎年のことながら「何を書こうか」と苦労する。

正直、もうハイキングには行かないし、散歩しながら見る道端にも、花は見られない。

鮮やかな実についても、もう取り上げたものばかり・・・・・

 

そうだ!!こんな時だから、季節感のない地味なものを取り上げよう!!

 

ということで、今回はトウゲシバ。

どの季節も、同じような姿をして、じめっとした道端や斜面で見ることができる。ただし、草丈は15cmくらいにしかならないので、ほかの季節は他の植物の陰になっていることが多いが、冬場は他が枯れているので、そこそこ目立つ。そして、よく見ると、ほら、こんなに凛々しく立ち上がっていますよ!!

 

 

トウゲシバ(峠芝)Huperzia serrata   ヒカゲノカズラ科

生育場所:山地に生えるシダ植物
利用部位:全草;千層塔(センソウトウ)
民間薬:止血、解熱、消炎剤

草丈は20cmほどですが、いくつもの葉が重なっている様子は千層塔の名がしっくりします。茎は直立または下部は地を這って、1~数回、二股に分枝します。そしてその先に生殖芽をつけます。葉も茎も固く、一見種子植物に見えますが、実はシダ植物で胞子嚢は葉の根元にあります。冬でも緑色を見せてくれます。
最近は「脳のハーブ」として加齢による物忘れにイチョウ葉とともに見直されています。
三日月山中腹、油山で見られます。