1月の薬草(ハチク)

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

 

さあ、平成最後の年が始まりました。

そして、この「今月の薬草」も7年目。ということは72の薬草、薬木を載せているということで、花の少ない冬場は悩みが多い季節となっています。

 

お正月の飾りつけの代表とも言える門松。

今月は竹を取り上げましょう。

と言っても、門松に使われている孟宗竹は残念ながら薬にはならないようで、淡竹を取り上げます。

 

 

ハチク(淡竹)Phyllostachys nigra   イネ科

生育場所:山野に自生する竹
利用部位:葉;淡竹葉(タンチクヨウ)、竹内皮;竹筎(チクジョ)
漢方処方:竹筎温胆湯、清肺湯、竹葉石膏湯

細いハチクの筍はモウソウチクと異なり柔らかくて美味、掘りたてはあく抜きをしないで生でも食べられます。
直径は3~10cm、高さは10~15m程、節の輪は2個で節間は20~40cm。若い桿には白い粉があり、各節から枝が2本出ることが特徴です。
別名を唐竹(カラタケ)、呉竹(クレタケ)と言いますが、中国伝来の竹という意味で、枕草子にも御所の庭に植えられていたという記述があります。また、細く弾力があり割りやすいので茶筅、茶杓、竹籠などに用いられ、枝は細く分かれているので竹箒、袖垣などに利用されます。正倉院にはハチクで作った笙や尺八、筆などが残っています。
日本人の身近にある竹は数々の伝説や物語に登場し、竹取物語はその代表でしょう。そして、正月飾りの門松に象徴されるように、成長が早く、冬も枯れない生命力の強さを日本人は愛でています。

「あらたまのきへが竹垣網目もゆ妹し見えなばあれ恋ひめやも」  万葉集(作者不明)