2月の薬草(スイセン)

立春を過ぎての寒波で凍えてしまっていた身体も、今日の日差しでやっとほぐれてきました。海岸沿いの散歩道に出てみると、ホトケノザオオイヌノフグリが咲き始めています。あら、こんなところにウメの木もありました。冬場に咲き続けていたスイセンもそろそろ終わりでしょうか。

お茶席の花としてもこの時期の薄茶席には欠かせません。

新型コロナウィルス騒ぎで今週末に予定していた会合も急遽中止となりました。もうすぐ暖かくなりそうです。危険な屋内の集まりは避けて、野山を歩くといたしましょう。

 

 

 

スイセン(水仙)Narcissus tazetta   ヒガンバナ科

生育場所:暖地の海岸に生える、また栽培される多年草

利用部位:鱗茎、花

民間薬:できものに外用、有毒で内服不可

 

 

早春にあちこちの海岸でたくさんの花を咲かせ日本の原風景ともいえるこの花。香椎浜や香椎花園前の駅のホームから見ることができます。

原産は地中海で、ギリシャ神話の美少年ナルシサスが水に映った自分の姿にもとれて水仙になってしまい、ナルシストの由来ともなりました。中国ではすっとした姿が仙人にたとえられ、「仙人は天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という古典からの漢名で、その名の通り水のそばに多くみられます。

しかし、水仙根のアルカロイドは有毒で、かつ花が咲かないときはニラに似ているため、毎年誤食による中毒が報告されています。

鱗茎は丸くひげ根があり、肉厚の細い葉は根生し、早春に葉の間から20~40㎝の花茎を伸ばして頂に白い、そして筒部は黄色の花を4~8個、散形花序につけます。