3月の薬草(アミガサユリ)

薬草の仲間からアミガサユリの苗をもらった。

庭にたくさんの山野草を育てている彼女、少し整理したいと。一方、私は広いベランダをどう活用しようか考えていたところなので、喜んでいただいた。

この時期、茶席を飾る花として登場するこの花、自然の中で見ることはありませんがれっきとした薬草です。

 

アミガサユリ(編笠百合)Fritilaria thunbergii   ユリ科

 

生薬名:生育場所:中国原産で日本では切り花、鉢植え用に栽培される多年草

利用部位:鱗茎;局バイモ(貝母)

民間薬:鎮咳、去痰に煎服

漢方処方:滋陰至宝湯(じいんしほうとう)、清肺湯(せいはいとう)

 

早春に茶花としての出番も多い清楚な花。江戸時代、中国より鎮咳、止血、解熱などの薬用植物として渡来しましたが、野生化したりして各地に広がりました。貝母は球根が2枚貝に似ていることからですが、花びら内側の網目模様から和名アミガサユリの名がつきました。

鱗茎は肥厚した白色鱗片2個が合わさって球形となっています。茎は直立し約50㎝になり、葉は線形で先端が反り返ったつる状のものが3~4輪生、上部は互生でたくさん生えています。春、葉えきに淡緑色で6枚の花弁、鐘形の花を数個、下向きにつけますが、外側に緑色のすじ、内側に網の目模様があります。

貝母(ばいも)の成分にはアルカロイドを含み、血圧降下、呼吸運動中枢のはげしい麻痺作用があることが知られていますので、専門家の指示の上で使用することが必要です。