初冬のこの時期は赤い実の季節。
夏に分厚い葉の陰でひっそり咲いていたヤブコウジも、この時期実を色づかせています。
山歩きをして、地べた近くの葉陰にこの実をみつけると、何かうれしくなってしまいます。
別名「十両」。でも、見つけにくいだけに、センリョウ(千両)やマンリョウ(万両)以上の価値を感じます。
ヤブコウジ(藪柑子)Ardisia japonica サクラソウ科
生育場所:山林に生える常緑小低木
利用部位:根;紫金牛(シキンギュウ)
民間薬:消化不良、腫れ物、鎮咳に煎服。小児の頭にできる湿疹に外用
冬に赤い実をつける別名十両、正月の縁起物とされ、センリョウ科のセンリョウ(千両)、同じサクラソウ科のマンリョウ(万両)、カラタチバナ(百両)と並べられます。落語の寿限無の「やぶらこうじのぶらこうじ」は縁起のいいヤブコウジのことです。
ヤブコウジ科(現在はサクラソウ科)の赤い実は葉の下に、センリョウ科の赤い実は葉の上につき区別できます。
樹高10~30cm、茎は直立、葉は革質で光沢があり互生、茎上部で輪生状に1~2層つき、6~13cmの長楕円形で先は尖り鋸歯縁、夏、葉えきに2~5個の白色の小さな花を下垂します。
三日月山中腹や油山で見ることができます。