1月の薬木(ソテツ)

毎朝自転車で走り抜ける遊歩道で、この時期目立つのは群生のスイセン(水仙)

そして、たくさんの実をつけたセンダン(栴檀)

ヤブツバキ(藪椿)は以前に比べると、随分少なくなってしまった。

そして、堂々としたソテツ(蘇鉄)は傷んだ葉を取り除かれた状態で寒風に耐えている。

ソテツ(蘇鉄)Cycas revoluta   ソテツ科

生育場所:九州南部より南に分布、植栽される常緑低木

利用部位:種子;蘇鉄子(ソテツシ)蘇鉄実(ソテツジツ)

民間:鎮咳、通経に煎服

南国を象徴する樹木で大博通りや香椎浜にも植栽されて、8m以上にもなって立ち並ぶ様子は南国をイメージさせます。

樹高1~4m、幹は太く枝分かれせず、表面は葉跡でおおわれていて、葉は頂に叢生、多数の線状の小葉からなる羽状複葉で、葉先は鋭く尖っています。雌雄異株で雄花は松笠状、雌花はドーム状に見えます。裸子植物のソテツ類は、古生代末から中生代に繁栄した植物で生きた化石といわれ、イチョウと並んで精子で受精します。

生育は遅いものの成長すれば8m以上になり、移植ができ、痩せ地でも育つ強靭さを持っています。

名前は枯れかかったときに鉄くぎを打ち込むと蘇ることに由来するといわれますが、真偽のほどは定かではありません。 種子は澱粉が多いものの有毒で、発酵などの処理を充分行わないと危険です。昭和恐慌のころの沖縄や戦後から本土復帰のころの与論島では島民の生活は大変貧しく、ソテツの種子で飢えをしのいでいて、毒にやられて苦しむ人が出ました。その様子を「ソテツ地獄」と言っています。