12月の薬木(センリョウ)

華やかだった錦秋の季節も終わり、枯葉、落葉、そして吹き寄せの季節。

花の少ないこの季節、昨日行ったゴルフ場ではたくさんのサザンカが咲き、そして散っていた。

一方ポインセチアやシクラメンに陣取られた花屋の片隅に赤い実をつけたセンリョウが。これを見るとお正月も近いと知らされる。三日月山に登って自生のセンリョウを見たのはいつのことだったか。

そう、本格的に薬草観察を始めた年の暮れ。もう10年が経っている。

そのときに知ったことのひとつは、十両のヤブコウジ、百両のカラタチバナ、そしてマンリョウ(万両)は同じサクラソウ科で枝の下に実をつけるのに対し、センリョウだけがセンリョウ科で枝の上に実をつけること。そして、一両と言われるアリドオシ(アカネ科)も三日月山でたくさん観察した。

来年こそはまた野山に出かけて、新しい植物と出会いたいものだ。

センリョウ(千両)Sarcandra glabra Nakai センリョウ科

枝や葉を、肺炎や急性胃腸炎などの細菌感染症、打撲、リウマチ、骨折に用いる。

という記載もあるが、牧野和漢薬草図鑑にはセンリョウは掲載されておらず、もっぱら観賞用として栽培されている。