先月末、早春の花を見ようと由布岳登山口へとバスハイクを行ったが、今年は3月に入ってから気温の低い日が多く、一面はまだ野焼きのあとで見渡す限り黒くて色がない。
かろうじてキスミレが咲いていたが、あとはたくさん芽はだしているものの花を見ること叶わず、何だか消化不良のままの帰福となった。
そこで、2週間後の今月14日にリベンジを果たすべく、再度同じ場所へ。
当日は穏やかな春の日差し。雄大な由布岳が私たちを迎えてくれた。
まず目に入るのはサクラソウの群生。コロナ前に来た時より明らかに広がっている。そしてジロボウエンゴサクやセンボンヤリ、たくさんのスミレたち。
今度はやまなみハイウェイを渡って起伏のある藪を歩いてみると・・・・・・
ヒトリシズカの群生がここにも、あそこにも。ツヤツヤした葉の間から、白い糸状の花を咲かせている。そしてフデリンドウにハルリンドウ、お馴染みのキランソウそしてニリンソウ。
人が通らないであろう奥まで入ってみたらなんと、ヤマシャクヤクが花盛り。たくさんのヤマシャクヤクに囲まれて幸せなランチタイム。その後はアケビの雌花やカキドオシを確認しつつ、残すはイチリンソウ。ギリギリまで粘って、やっとこの可憐な花に出会うことが出来た。大満足の一日だった。
ニリンソウ(二輪草)Anemone flaccid キンポウゲ科
生育場所:山地や山麓の樹下に生える多年草
利用部位:根茎
民間薬:リウマチに煎服
久住ではイチリンソウとニリンソウの両方が見られますが、その区別はイチリンソウの花が大きい、葉は切れ込みが鋭く菊の葉に似ているのがイチリンソウで切れ込みはまばらでトリカブトの葉に似て葉柄がないのがニリンソウです。というわけで、誤食には十分注意が必要です。
また、ニリンソウと言っても時間差で咲くので、必ず二輪咲いているわけではありません。
これも春の一時期咲き誇って姿を消す「スプリング・エフェメラル」(春の妖精)と呼ばれる植物のひとつです。
「二輪草の一輪すこしおくれけり」岡林英子