今年も85歳の母の下に、田中社中の初釜を終えることができました。
以前は正式な茶懐石で行っていましたが、昨年からは松花堂弁当をとって簡略化、随分楽になりました。初釜と言っても、いったいどんなことをすんでしょうと思っている方も多いと思います。元々お茶の点前は、簡単な(?)食事とお茶で、招く人、招かれる人の特別な空間と時間を演出する茶事の一部です。そして、その年の最初の茶事を初釜と言いいます。ま、いわばお稽古はじめでしょうか。今回私は「お正客」の役をやります。
「正午の茶事」の流れに沿って、まず待合でお白湯(今回は桜湯)をいただき、待合の軸を拝見した後、露地へ。亭主の出迎えを受け、蹲(つくばい)で手と口を清めてお正月のしつらえの茶席に入ります。今日のお軸は「和敬清寂」、堂々としたそのお軸とお釜を拝見して席に着き、挨拶のあと、初炭点前が始まります。最後に香を焚いて、道具を引きます。そして、懐石料理が始まるころには、その香が香り始めます。燗鍋、杯も出てきますが、車の運転があるのでノンアルコールの梅酒で。食べ終わるころには、火の勢いも出て、水だった釜も沸いて、音を立て始めます。この釜の沸く音は「松風」にも喩えます。部屋も温まってきました。最後に菓子(初釜の時は「はなびら餠」に決まっています)をいただいて部屋をでます。
これは中立ちといい、この間に、亭主は軸を巻き上げ、花を飾り、濃茶の準備をします。
そうして改まった席に入り、今度は花(今回は白梅と天輪寺月光椿)と水指、茶入、釜、炭の具合などを拝見して席に着き、濃茶点前が始まります。静かで厳かな空気の中、よく練れた美味しい濃茶をいただいて、そのまま薄茶を所望しました(続き薄茶)。煙草盆と干菓子が出せれ、これからは気楽な薄茶です。おしゃべりしながら、また、お菓子をいただきながら、久しぶりに揃うメンバーの近況報告です。二服ずついただいてフィナーレ。
宴の後の炭、綺麗に灰になっています。
終わって露地に出てみると、冷たい空気ながら見事な天気。でも、あれ・・・風花が
見送りの母に風花二、三弁