1月の薬草(ジャノヒゲ)

明けましておめでとうございます。
今月の薬草も4年目に突入しました。
ということは、36種をすでにブログに上げたということ。もちろん、まだまだ語りたい薬草はたくさんあります。

今日は連休の最終日。この時期に思いがけない小春日和、そして何の予定もなかったので、薬草仲間を誘って久しぶりに三日月山に登りました。何回も登っている三日月山も、真冬に行くのは初めて。そこには、落葉樹の葉が落ちて、日差しが届くようになった登山道の脇に、真っ赤なハナミョウガの実、上の方にはアオキの実も鮮やかさを競っています。そして、こんもり茂ったジャノヒゲをかき分けてみると、見事なコバルトブルーの美しい実が熟していました。竜の目玉はこんな青かしら・・・

今の季節、咳止めとして、麦門冬湯はよく処方されますが、この麦門冬はジャノヒゲの塊茎(丸く肥大した根)を干したものです。
 
ジャノヒゲ(蛇の髭)Ophiopogon japonicus   キジカクシ科
 
生薬名:(局)バクモンドウ(麦門冬)
生育場所:山野、また植栽される常緑の多年草
利用部位:根の肥大部
薬効と用い方:民間薬として滋養強壮に煎服
漢方処方:清心連子飲、麦門冬湯、温経湯、辛夷清肺湯、釣藤散、滋陰降火湯、炙甘草湯
 

三日月山中腹でたくさん見ることができます。
細い葉を蛇のヒゲにたとえていますが、蛇にはひげはありませんよね。それで別名が「龍のひげ」、根を掘ってみると丸い塊があり、これを使います。同じように塊根のあるものにヤブランがありますが、これは葉の幅が1cmもあり花が上向きに咲き、実も黒色なので区別できます。
葉は根生で叢生し、細く長さ30~40cm。夏に葉の間から花茎を1本出し、淡紫色の鏑状花をつけ、まん丸の種子は熟すと藍色になります。
 
万葉集にも詠われている植物で、根が特徴であったことがわかります。
「あしひき山菅の根のねもころに我はそ恋ふる君が姿に」