ドレミ薬局では10年以上前から受け付けた処方せんに番号をふって、その番号で呼び出していた。
その1番の理由はプライバシーの保護。それほど有名人が来るというわけではないが、名前では読んでほしくない人もいるだろう。それに、呼び出す方の私達も名前を間違えないように気を遣う。ましてや外人さんも珍しくない昨今、なんと呼んでいいのか迷う場面も。その上、保険証と異なる名前で呼んで欲しい(親が離婚したばかりの子どもだったり、性同一性障害であったり)などの要望もあり、すっきり番号で呼び出そうということになった。
それで一定の効果は上げていたが、「待ち時間の目安を知りたい」という要望や、コロナ禍で混雑の緩和を図れないか、遠くには声では届きにくいので画面で表示できないか、などの解決策として取り入れたのがこの「まちみる」
処方せん受付の時に発行をタッチして患者さんに番号を渡す。その番号を処方せんにうってカウント開始。ここから待ち時間の時計が動き始める。
私達薬局側は受け取った処方箋はレセコンに入力をする一方、調剤へ。薬が揃ったらオーディットを通して鑑査者の元へ。鑑査者=投薬者は薬歴と照らし合わせて、容量、用法、副作用等の問題ないこと、正しく調剤されていること、薬情、薬袋も揃っていることなどの確認をして、やっと呼び出すことができる。
ここで「呼出」をタッチすると
「ピンポーン。40番」そこでやっと時計が止まる。
「40番の方、こちらでーす!!」
これを繰り返すことで、自動的に待ち時間の目安が表示される。
呼び出す私たちは、画面を見るたびに、15分を超えて待ち時間の表示が赤くなっているのが気になり、スピードを上げる。これを導入して、間違いなく待ち時間が短くなった。これは思うがけぬ副産物だ。また、番号が残っているものがあれば、処方せんを見落としてないかの確認もできる。
一方、患者さん側は待ち時間の目安をみては、ほかの用事を済ませたり、子供に電車を見せに行ったり。受け取った番号札についているQRコードを読み込ませることで、呼び出し画面が表示されるので、自分の分が準備できたかどうかの確認ができる。「便利ですね。子供をミスドに置いてきました」というお母さんも。
呼び出しても反応がないものはファイルボックスに入れて待機棚へ。最近はこに一時留め置かれるファイルボックスが増えている。
「○○番、戻られました~」
その時、もう次の方の服薬指導に入っていることも多く、少しお待たせすることは勘弁していただこう。
6か所ある投薬口がフル稼働して次々に呼び出しの音と声が響き、待合室では呼び出された番号の方々が声のする方を探してキョロキョロと。それがドレミ薬局香椎店の土曜の風景となっている。