この時期、苗ものやさんでよく見るビッシリと花のひしめき合う背の低いリンドウ。一方、花やさんでは、茎の長すぎるりっぱなリンドウ。どちらも茶花には使いにくい。
そう言えば、これだけ野原を歩き回ってもリンドウを見ることはほどんどない。長谷ふれあいロードでは、早春にフデリンドウに出会うことはできるのだが。
もう、10年以上前のこと。9月のスイスの草原にはたくさんの牛と足元にはりんどうの花が。
竜の肝に例えるほど強烈な苦さのリンドウ。その苦さ故に、こんなにたくさん牛に食べられもせず残っているのかと独りごちた。早く、あのような旅を再開したいものだ。
リンドウ(竜胆)Gentiana scabra リンドウ科
生育場所:山地や丘陵地に生える多年草
利用部位:根と根茎;局リュウタン(竜胆)
民間薬:苦味健胃薬として煎服
漢方処方:竜胆瀉肝湯
秋の花の代表のリンドウ、でも長谷ダムふれあいロードでは春にフデリンドウが見られます。そして、花やさんから秋に届くリンドウはエゾリンドウ、中国から輸入される竜胆はトウリンドウです。
名前の由来は苦い薬の代表の熊胆(くまのい)より更に苦いというので最高の竜の胆という意味の漢名、そしてそれが転訛してリンドウとか。なるほど、薬局製剤の健胃薬に入っているゲンチアナの仲間と聞けば、その苦さは納得できます。
茎は中空でまっすぐ伸び、草丈20~90㎝、皮針形で先がとがった葉は対生で茎を抱いています。秋に茎の頂、または上部の葉えきに紫色のラッパ型の花をつけます。