4月の薬草(マムシグサ)

次から次と花が咲いて、本当に楽しい季節になってきました。
今は、つつじや藤、牡丹の花が華やかですが、山に入ってみると・・・・
こちらも、アケビやムベ、クヌギなどの花盛り、そして何より緑が美しい。小鳥たちもにぎやかに囀ります。
木陰には、何とも奇妙な姿のマムシグサ(蝮草)
私が最初に覚えた薬草で、華岡青洲が処方した全身麻酔薬、通仙散にも配合されていました。因みにこの通仙散の主薬はチョウセンアサガオの曼荼羅華(マンダラケ)とトリカブトの附子(ブシ)です。

マムシグサ(蝮草) Arisaema serratum  サトイモ科

生薬名:天南星(テンナンショウ)
生育場所:山野に生える多年草
利用部位:球茎
漢方処方
二朮湯

春の花は鎌首を持ち上げたマムシの頭に似て、偽茎はマムシの胴に似ているので一度見たら忘れられません。三日月山の中腹で見ることができます。サポニン類似成分を含み有毒なので生の根茎を食べると胃腸障害、麻痺を起こします。
茎は高さ30~50cm、偽茎は紫褐色のまだらがあり、葉は2個、鳥足状の複葉で小葉は7~12個、長楕円形、春に葉の間から花をだします。仏焔包は紫色で白線があり、肉穂花序は苞内に直立、後に真っ赤に熟します。