スイスの休日(その3)

4日目、氷河から流れてくるジメ川でのラフティング。
参加者は水着に着替えて身体にぴったりのウェットスーツ、ライフジャケット、そしてヘルメットを身に着けたところでインストラクターから、パドルの握り方、落ちたときの姿勢のとり方、救助の仕方、そして「Foward!」「Back!」「Get Domn!」「Keep Left!」などの号令での動き方を学び、実際に練習してみる。そして、いよいよ急流へ。

船べりに腰かけ、最後尾にいるインストラクターの合図で「ワンツー、ワンツー」とお互い声をかけながら、息を合わせてパドルを漕ぐ。岩にパドルが付きそうな早瀬に来ても「ワンツー、ワンツー」は止まらない。
いよいよぶつかりそうなところで「Get Down!!」の号令。素早くパドルの前に手を伸ばし、ロープを掴んでしゃがみこむ。
冷たい水しぶきを頭からかぶる。その日の水温は6℃だそうだ。
救助のためのカヌーも付かず離れずでいてくれる。
だんだん慣れてきて、おだやかな流れのときはおしゃべりをしたり、隣のボートと水をかけあったり。
最後はプリエンツ湖まで漕ぎ出してダイブ!!
全身ずぶぬれで帰り着いた。
「ああ、楽しい!!」

5日目はパラグライダー。
朝から今にも雨がふりそうな天気。「あれだけ天気予報も睨んでこの日に決めたのに」と空を見上げる。
離陸地点の崖の上に行くバスの中で、注意事項の説明と、タンデム飛行の組み合わせのくじを引く。「ヒヤー不味い!!」強面の印象のインストラクターに当たって、思わずつぶやいた。もっともそれが杞憂であることは、すぐに判明するのだが・・・・

パラで大切なのは、風を受けながらも懸命に走ること。装備を着け、まるで大きなおしめをしてるような無様な格好でダッシュの練習をして待つこと数分。
霧が晴れた!!
逃さず次々に飛び出すパラグライダー
私も懸命に走ったが、十数歩でもう浮き上がって足はつかなくなった。
「え?どうしよう・・・・」
身体がゆっくり落ちていく・・・・
と思った瞬間、ふわりと浮いて、あとは夢の中。
残念ながら、遠くのユングフラウなどの山々は見えなかったが、眼下の小さな村々やトウーン湖などが見渡せ、右に左に方向を変え、上昇気流に乗って・・・・

霧晴れていっとき吾は鳥となる