11月の薬草(サルトリイバラ)

街路樹もそれぞれの色に、そして落ち葉の掃除も大変な季節になる11月。

私たち薬草同好会は今年の活動の締めにホームグラウンドの三日月山登山を選びました。

5日の日曜日、申し分ない上天気。下原バス停に集合して、総勢22名で三日月山の頂上を目指します。登山道に入る前から、ツワブキの花やサルトリイバラの鈴なりの実の歓迎を受けました。でも、いざ山道に入ると、期待していたマムシグサハナミョウガジャノヒゲの実はまだ色づいておらず、本当に残念!!

山頂からの景色はやや霞んでいたものの、我が家の方を見渡してみると、手前に香椎二中のグラウンドとかしいかえん、あいたか橋の先にアイランドシティ、ずいぶんビルが建ってきているのが分かります。

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山頂で以前観察できたクララフナバラソウは、季節が違うせいか見ることはできず、その代わりオトコヨモギを見つけました。

三日月山霊園の方に降りて、長谷ダムふれあいロードの入口付近を歩いてみると、馴染みのシャリンバイアキグミが実をつけていました。実りの秋を感じた一日でした。

 

さて、今月選んだサルトリイバラですが、どの季節に出会ってもすぐにそれと分かる、特徴的な葉と茎を持っています。団子を包むのに最適な丸い大きな光沢のある葉と、猿を引っ掛ける棘があり、ジグザグに曲がった茎です。福岡では「ガメノハ」、私の故郷の大牟田では「イゲノハ」の方がピンとくるのでは。

春の反り返った花も可愛いですね・・・・

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サルトリイバラ(猿捕茨)Smilax china   サルトリイバラ科

生育場所:山地、草原でみられるつる性低木

利用部位:根茎;和山帰来(ワサンキライ)

民間薬:毒消し、関節痛、下痢止めに煎服

漢方処方:香川解毒散

 

生薬名山帰来の語源として次のような話が伝わっています。昔、梅毒に罹って山に追いやられた人がこの実(根?)を食べて元気になって帰ってきたとか。