10月の薬草(ノダケ)

今年はwithコロナ、様々なイベントが再開されているが、薬草観察もその一つで、三区合同の薬草観察に講師として招いてもらった。

9月に下見をして、10月15日にさあ本番。

場所はリニューアルした油山。私は早良区からの参加者とともに歩いた。クスノキのところでは実を割って見て匂いを嗅いで、クサギの葉を揉んでこれも匂いを嗅いで、ヌルデについた大きな虫こぶは割って見て、と五感を駆使しての観察。大きなアケビやサネカズラの実、そして珍しいツルリンドウなどもあって、楽しい観察会だった。

その中でも私の好きなノダケが背丈より高く花茎を伸ばして咲き誇っていて、これにはみんな喜んでくれた。特徴的な葉の観察だけでも興味をもってもらえるのに、この時期、ここではこんな素敵な花が見られるとは・・・

ノダケ(野竹)Angelica decursiva    セリ科

生育場所:山野に生える多年草

利用部位:根;局ゼンコ(前胡)の代用

漢方処方:前胡散、参蘇飲

秋に草丈1~1.5mにもなり、その先端で暗紫色の小さい花が密生して咲く(散形花序)ので目立ちます。翼状になった葉も特徴です。茎は直立、上部は枝分かれして角ばり、紫色を帯びています。葉は互生、3出羽状複葉で小葉は3~5個、さらに3~5中裂または全裂で5~10cm、基部は翼状になっています。果実はまだ観察していませんが、カレー粉のような香りだそうです。

名前の由来は葉のつけねの鞘が筍の皮のようにみえるからとか。奈良時代から薬草として知られ、江戸時代以前は「ノゼリ」と呼ばれていました。

長谷ダムふれあいロードの500m付近で見られます。