12月の薬草(ノキシノブ)

この時期、本当に花が少ない。

うちのベランダでも、野地菊(ノジギク)と侘助椿が細々と咲いているだけ。

水仙(スイセン)はまだ蕾。

仕方ない。木々が葉を落としている今だから、かえって目につく軒忍(ノキシノブ)を取り上げることにしよう。

ノキシノブ(軒忍)Lepisorus thunbergianus   ウラボシ科

生育場所:樹上、岩上に生える常緑性シダ植物

利用部位:全草、八目蘭(ヤツメラン)

民間薬:むくみに煎服。おできに外用。

屋根の軒に生えるのでこの名がついたシダ植物で葉の裏に錠剤のウィークリーシートのような2列の丸い胞子嚢が特徴です。草丈は10~30cm、長く横に走る根茎から葉が並んで伸びます。葉は肉質で厚く、幅の狭い単葉で表は深緑色、裏は淡緑色です。

日本庭園や神社などでよく見られ、冬でも緑が瑞々しく、苔とともに風情を感じさせてくれるものです。

霊園の傍の石垣で、また油山でも見られます。