先週平尾台に野草ハイキングをして、たくさんの野草、薬草に出会いました。昨年昭和の森、四王寺で出会ったウツボフサは、立ち上がって群生して私たちを迎えてくれました。
紫の色が印象的ですが、花が終わるとすぐ枯れるので夏枯草(カゴソウ)の別名もある重要な生薬です。
平尾台にはオトコヨモギに寄生するオカウツボというよく似た珍しい花も見ることができましたが、これは別名ハマウツボ、ハマウツボ科で別の薬草です。
ところで、このウツボ(靭)ですが、気になって仕方がありません。というわけで、調べてみました。中世の絵巻物に弓を入れる道具として描かれています。
ウツボグザ(靭草)Prunella vulgaris シソ科
生薬名:局カゴソウ(夏枯草)
生育場所:山野の道端に自生する多年草
利用部位:花穂
薬効と用い方:民間薬として扁桃炎、口内炎、膀胱炎などに煎服
漢方処方:夏枯草散、止涙補肝湯
梅雨に入る直前の宇美の昭和の森や四王子で出会った薄紫の花、武士が弓を入れて背負った靭に花穂の形をたとえました。
草丈20~30㎝、茎は直立し四角形、葉は対生で広披針形、下の葉は短柄がありますが、一番上の葉には柄はありません。そして全株にびっしり白く粗い毛が密生しています。夏に3~8cmの花穂に唇形の花をびっしりつけ、それが晩夏には結実し、花だけが枯れたように褐色になります。そのため中国で夏枯草と命名されました。
ところで、名前の由来となった靭ですが、長い竹籠でつくり、その外側を熊や猿の毛皮や鳥の羽で覆ったそうで、毛羽立った花穂のようすはそれを彷彿とさせますよね。